陰謀論の作り方
コロナ禍からワクチンを打つ打たないの議論があり、謎の陰謀論がアドオンして世の中に出回ってますけど、それらの個別内容の是非とは別に、真偽不明の陰謀論がなぜ少なくはない人々に信じられてしまうのか、陰謀論はどうやって生まれてくるのかを考える上で、せっかくなので今日は陰謀論を作ってみようと思います。
まずは、陰謀論の作り方を整理してみました。どうぞ↓
陰謀論の作り方
- ファクトを使う
- それっぽく聞こえる数的根拠を使う。薄いときや効果的でないときは「可能性」でOK
- 一般的な事実をわざと限定的に言う(陰謀に入れ込みたい内容を含めて)
※「限定的事実⊂一般的事実」のファクトの形で - 他の陰謀論と連結
- 後半に持っていきたい方向へ疑問提起
- ○○と考えるのが自然で締める
- 最後は修飾語を整理し、まくし立てる感じに仕上げる
例文
1.ファクトを使う
→水は摂取しすぎると、嘔吐、失禁、意識障害、痙攣発作になり、最悪は死に至る。
※ただの水中毒の症状です。例として、このファクトを使って、陰謀論を作ってみようと思います。
2.それっぽく聞こえる数的根拠を使う。薄いときや効果的でないときは「可能性」でOK
→水中毒は血清ナトリウム濃度が120mEq/L以下で発症
3.一般的な事実をわざと限定的に言う(陰謀に入れ込みたい内容を含めて)
ここが肝です。
水 → 大富豪のBG氏が出資する米国アリゾナ初の水テック企業S社の水
4.他の陰謀論と連結
→BG氏といえば、人口削減計画の噂が絶えない。
5.後半に持っていきたい方向へ疑問提起
→これは人口削減が目的なのではないか?
6.○○と考えるのが自然で締める
→そう考えるのが自然である…
7.最後は修飾語を整理し、まくし立てる感じに仕上げる
以下、出来上がりの陰謀論の例文です。
人口削減計画の噂が絶えない大富豪BG氏が出資する米国アリゾナ州のS社。この企業が開発する漆黒のパネルによって作り出された自称「飲料水」と呼ばれる謎の液体を大量に摂取した場合、その液体の影響で体内の血清ナトリウム濃度が120mEq/L以下になると、嘔吐、失禁、意識障害、痙攣発作になり、最悪は死に至るという。これを人口が増加しているインフラ開発もままならないような発展途上国中心に広めていく計画があるという。
これは人口削減が目的なのではないか?真偽はわからないが、そう考えるのが自然である…
みたいな。水に関する当たり前の事象ですら、めちゃくちゃ怪しく書けてしまうんです。疑問提起まではファクトを使って書いているわけですが、陰謀論の中核はウソではなくてホントであり、印象操作している方向がウソ(or 想像)という構造になっているようなタイプが、支持されている陰謀論の特徴なのかと。
怪しく言おうと思えばなんとでも言えますからね、物は言いようで。水でもここまで怪しく書けるんだから、ワクチンだったらいくらでも書けそうですね…
ちなみに、このS社ってのは超まとまな企業で、空気から水を作り出すというすごいベンチャーです。BG氏が出資しているのは本当です。怪しくもなんともありません。
陰謀論なんてそんなものかなと。なので、それっぽい怪しい話があったときは、人の評価とか想像は一旦取り除き、一次情報をさまざまな角度からとらえて、自分自身で真偽を考えるのが大事なのでしょうね。